サーバ接続の冗長化

サーバ接続の冗長化には、NICチーミングと呼ばれる、NICを冗長化させる障害対策手法がとられます。NICチーミングには大別して次の三つがあります。
①NICテイク・オーバー
②イーサネット・チャネル
③スパニング・ツリー・プロトコル(STP)
①NICテイク・オーバー
二つのNICをそれぞれ二つのスイッチに接続する構成。
アクティブのNICが障害を検知するとバックアップ側にネットワーク経路を切り替える仕組みです。ネットワーク経路を二つ設けることができ、経路の冗長化は可能ですが、二つの経路を同時に利用して負荷を二つのリンクに分散することができません。
②イーサネット・チャネル
二つのNICを一つのスイッチに接続する構成。
スイッチとのチャネル・リンクを構成します。一つのリンク、NICが障害となった場合に即時に片チャネル運用が可能であり、またリンクのアグリゲーション機能によりリンクへの負荷を両リンクに分散させることが可能です。しかし、同一のスイッチ内での接続を前提としているため、複数のネットワーク経路を作ることはできず、スイッチが単一障害点になってしまいます。
③スパニング・ツリー・プロトコル(STP)
二つのNICをそれぞれ二つのスイッチに接続する構成。
サーバが1台のスイッチと同様に動作し、バックアップ側のNICポートをブロッキング状態にすることで経路冗長を図る方式です。しかし、スパニング・ツリー・プロトコルを用いるために切替時間に50秒以上かかってしまう上に経路の分散もできません。
以上の三つの方式を簡単に表にまとめてみました。
 |冗長化|負荷分散|切替時間|
①| ○ | ×  | ○  |
②| × | ○  | ○  |
③| ○ | ×  | ×  |